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私はどっちかというと悲観論者なので、宇宙開発の現状や将来に関してこれまでもずいぶん後ろ向きな事を書いてきましたが、今回もそのパターンで、申し訳ないです。
ただ少なくとも、私は諦めてはいないのと、私にはできることがあると思っています。 批判がしたいのではなく、変えたいのです。 では、本文。 *** アメリカは2/1発表の予算教書で、宇宙政策を大きく転換することを明らかにした。 ブッシュ政権が進めてきた、有人月着陸を再び目指す「コンステレーション計画」は、膨大な予算を投じてなお開発にめどが立たないためこれを中止した。 一方NASAの予算自体は増え、科学研究や基礎研究など真面目なテーマにきちんと投資することになった。 これをふまえて日本はどうするかというのが大きな問題で、ネット上でも議論は白熱している。 私は、これまでこういう考えでいた。 (1)私の勝手な前提: アメリカは膨大なリソースを有人宇宙計画で消耗するため、本来堅実にやっておくべき、衛星・探査機を使った地球・惑星科学の研究や、将来に向けた基礎技術研究が手薄になるだろう。そこに日本が食い込むべきチャンスがある。 (2)私の希望的観測: そこで、日本はアメリカがおろそかにしている科学的・基礎的研究を重視する方針に転換すれば、日本は低予算でも価値の高い研究をやる素質は持っているので、成果は甚大で、特色ある宇宙開発先進国になれる。それは科学技術、産業、経済、教育、国防、どれにとっても有益である(宇宙開発に詳しい人からは「そんなの当たり前だ」と言われそうな、大したことはない意見だが)。 この(2)の希望的観測の実現が難しいことは、これまでの日本の宇宙行政の状況から私も分かってはいた。 日本の宇宙開発は、宇宙科学など一部の分野で特別に評価の高いものがある一方、多くの大規模プロジェクトは新規性や成果が少ない。 そこへ宇宙基本計画が示され、さらに事態が悪化。 これまで批判されてきたものも含むあらゆる事業の継続(一部は政権交代後の仕分けで見直された)と、二足歩行ロボットを月面に送り込むなど技術的正当性のない素人考えとしか思えない検討が明文化されてしまった。 こうして(2)が実現しない間に、今回(1)の前提も覆されてしまった。 アメリカは、科学研究・基礎研究をおろそかにせずきちんと投資することにした。 たぶんアメリカは日本より先に正しい方針転換をしたのだろう。 逆に日本はこのままだとアメリカなど諸外国と対等に成果を出すことがだんだんと難しくなり、日本の宇宙開発の未来は相当暗いということになる。 かつて高エネルギー加速器の建設中止問題などもあったように、アメリカは政権が変わると政策がまるっきり変わってしまい、それによって科学技術が大きく振り回される怖さがある。 しかし、今回は思った。 一度決めた方策を変えられない日本の体質のほうがもっと怖いと。 いま私たちは、状況を少しでもましにするために各自ができることをするしかないのだが、道のりは険しい。 個人的には(2)の考えは変えないつもりでいるが、自分の身の振り方も含めて、最近ますます悩ましい日々を送っている。 つくば万博で使用されて25年、恒久的な展示施設として残され、いまや人気の科学館となった「つくばエキスポセンター」では、明日から2階の展示室がリニューアルオープンします。
今夜は一足早く内覧会で見させていただきました。 お世話になりました。 公式 つくばエキスポセンター:公式ウェブサイト ニュース つくばエキスポセンターに新展示場 16日から一般公開 - MSN産経ニュース (前略)これまで宇宙関係の展示が中心だった2階展示場(722平方メートル)を改装し「ナノへの挑戦」「超への挑戦」「生命への挑戦」「環境への挑戦」「宇宙への挑戦」の5つのゾーンで構成する。クイズに答えて正解すると、地球がどんどん青くなる「めざせ青い地球」コーナーなど体験型施設を充実させたほか、科学実験を実演する「創造の森ワンダーランド」を設置した。 同センター運営業務部の神田久生部長は「大人には『科学がひらく明るい未来』を、子供たちには『科学の面白さ』を感じてもらいたい」と話している。 *** この記事に出てくる「めざせ青い地球」を一足早く体験してみた。 クイズに正解すると地球がどんどん青くなるというが、では逆に不正解するとどうなるのか? …行って体験してみてください。 以下ネタバレ注意。 *** これが初期状態。 ![]() 左奥のはそのままで、右奥のは全問正解、手前のはわざと間違えまくって、同時に回答していく。 クイズの問題は全て地球環境変動(温暖化)に関するものだった。 不正解だと地球環境を理解していないということで、地球が… ![]() 右奥のやつは、確かに開始前よりも鮮やかに青く光っている。 クイズは、地球の大気で最も温室効果を強く発揮する物質は二酸化炭素ではないこととか、地球には大量の二酸化炭素を吸収してきたメカニズムが植物以外にあることなど、一般にあまり知られていないと思われるところを突いていて、意外に骨があった。 でも、環境が変化すると本当に地球はこんなに赤くなるんだろうか? そのへんはちょっと考えさせられた。 無意識か、意識的にか、火星の色をイメージしているのではと思った。 アメリカの探査機がよく火星の赤い空の写真を送ってくる。 だが、この赤色は二酸化炭素ではなく、大気中の微粒子(エアロソル)によるミー散乱という光の散乱メカニズムによるもの。 ちょうど昨年オーストラリアで大規模な砂塵嵐が起きたときもこれで空が真っ赤になった。 「オーストラリア 砂塵嵐」で画像検索すれば真っ赤な写真がたくさん出てくる。 あと、火星は地面に酸化鉄が多いので、赤色なのはもともと表面の色でもある。 真っ赤な地球という演出はインパクトがあるし分かりやすいけど、このまま環境が変化しつづけたとき、本当のところは、どんなメカニズムが働き、どんな色になるのだろう。 今年最初の書き込み。
*** テレビ東京で見た今年(去年の大晦日)の東急ジルベスターコンサートは最高だった。 今回のカウントダウン曲はホルストの「惑星」の中の有名曲「木星(Jupiter)」。 去年は夜空に毎日とても明るく木星が見えた年だったので、最高の選曲である。 演奏もエキサイティングで、華々しいエンディングがカウントダウンのタイミングと完璧に合っており、曲の終わりと同時に新年を迎えることができ、今年もカウントダウンは成功した。 番組では、宇宙ステーションに長期滞在中の野口宇宙飛行士の生中継出演もあり、宇宙船内で龍笛を演奏しつつ、曲のリクエストなどをしていた。 東急やるなあ、テレ東やるなあ、と思った次第である。 こんな体験ができるならテレビではなく生で聴きに行くべきだったと反省もした。 それから、ステージ後ろのスクリーンでは様々な美しい宇宙や地球の映像が曲に合わせて流れており、これも印象に残った。 主に使われていた映像は、人工衛星が見た地球の画像などを芸術的な映像作品として発信している「BELLAGAIA」(ベラガイア)の引用だった。 宇宙の神秘と地球のかけがえのなさを実感するという、これまでのジルベスターには無かったテーマの演出だったが、とても共感した。 なお、この「BELLAGAIA」という作品(作品群)は、米国人アーティスト、ケンジ・ウィリアムスがNASAの協力により制作しているもので、その成果の一部はYouTubeなどで公開されている。 BELLAGAIA 5min sample これを友人に紹介されて初めて見たとき、感動したと同時に、正直「やられた」と思った。 自分がやりたかったことが、まさにこれだったんじゃないか、と思ったからだ。 今まで私は、宇宙から見た地球の画像やデータ、すなわち地球観測データを使って、全国の教育現場で子供たちや先生方と宇宙や地球の今、そしてこれからのことを考えてきた。 一方で、このようにメッセージ性の高いテーマは芸術活動としても成立するのではないか、ということも考えてきた。 前者のいわゆる宇宙教育のほうは、教育を専門とするスタッフや先生方のお陰で、ここ数年でかなり仕事として軌道に乗ってきたが、後者のいわゆる宇宙芸術のほうはまだ活動できずにいて、これもいろいろな方々の協力がないと難しそうである。 私は芸術に関しては素人でその方面の知識もコネも不足しているし、現代の芸術表現には欠かせないメディアクリエートなどの技術もないので、何とか協力者・理解者を増やして芸術活動の第一歩を踏み出したいというのが今年の目標だ。 *** 本年もよろしくお願いいたします。 2009年7月22日は日本で皆既日食が見られます。
皆既日食が見られるのは南西諸島などの一部の地域だけですが、全国的に部分日食も見られます。 2009年7月22日皆既日食の情報:国立天文台 天文イベントは宇宙開発とも密接に関係しています。 ここではJAXAがからむ日食関係のイベントやら、観測やらをまとめておきます。 衛星による皆既日食生中継 硫黄島から皆既日食の映像が、小笠原諸島父島から木もれ日の映像が、高速インターネット衛星「きずな」により生中継されます。 東京駅前の丸の内オアゾにあるJAXAiと、茨城県つくば市の筑波宇宙センターで見ることが出来ます。 また、各地の科学館にもストリーミング中継されます。 日食中継イベント!JAXAでは、「きずな」を使って日食の様子を生中継します。今世紀最大の日食を思う存分楽しもう! 国立天文台・7.22皆既日食中継 7/22追記: 雨のために衛星通信(雨に弱い)が心配でしたが、中継は成功しました。実際に中継された映像が静止画で公開されました。 2009年7月22日皆既日食の速報画像:国立天文台 木もれ日写真の募集 日食のときに木もれ日を撮影すると、光の斑点が、丸ではなく欠けた太陽の形になります。ピンホールカメラ(って知ってますかね…)の原理と同じで、木の葉の間の狭い隙間を通ってきた光によって地面に太陽の形が投影されます。 JAXA宇宙教育センターでは、日食の時の木もれ日写真の投稿を受け付けています。 日食の観察 みんなで木もれ日を撮ろう 衛星による日食の観測 日本では皆既日食になりますが、JAXAの太陽観測衛星「ひので」の軌道上では部分日食を観測できる予定です。 X線望遠鏡(XRT)により、地上では見ることの不可能な、X線で見た日食の様子を見ることができます。 7月22日皆既日食~「ひので」衛星から見た日食を即時公開~ 7/22追記: 上記ページで、予定どおり、部分日食のX線画像が公開されました。 衛星からの地上の日食地帯の観測 日食のとき宇宙から地球を見ると、月の影が地球上に見えます。 言い換えると、日食が見えている地域を宇宙から見ると、そこだけ太陽が当たっていないので、ぽっかりと黒い穴があいたようにそこだけ暗くなります。 この様子を、地球観測衛星などで観測することができます。 ※軌道を考えると日本がからむ3つくらいの衛星で観測ができるはずですが、事前に情報が公開されたのは「ひまわり」だけのようです。 気象庁 | H21/7/22日食時の「ひまわり」画像 7/22追記: 上記ページで、予定どおり、日食時の月の影の画像が公開されました。 追記(2): NASA&JAXA共同の衛星TerraのMODISによる画像も公開されました。 EORC | 地球が見える-日食の影 追記(3): 「いぶき」が捕らえた食時の月の影の画像も公開されました。これでやっと、予告してた3つの衛星のデータが無事そろいました。 「いぶき」が宇宙から日食を撮影! ところで私自身は何をするかというと、当日の天気が曇りということで、曇りでもできるしょーもない観測を思いついたのでやってみます。 うまくいくかは分かりません。 2009年6月11日、「かぐや」が月面に落下し、1年半の観測を終えました。
10年以上観測を続ける衛星・探査機もある*1ので、それに比べるとあっけない短さでした。 軌道修正用の燃料が無くなれば低軌道の月周回はできないのでこれで精一杯です*2。 まだ使えるのになぜもっと長く観測しないのか?という声をいただきますが、これでも長いのです*3。 「かぐや」の運用終了については他にも多くの声をいただきましたが、「月に物を捨てるな」「なぜ回収しないのか」「月を汚染するな」「失望した」という意見が目立ちました。 月面に落下させずに地球に帰還させるだけの燃料は、重たい観測機器を載せた衛星には到底ありません。 「軟着陸させろ」という声もありましたが、これは高度な技術のため着陸に最適化された探査機が必要で、月周回専門の衛星ではできません。 地球に帰還させたとすると最後は大気圏に突入させて高温により分解させるのでしょうが、月面に高速で衝突させた場合も高エネルギーで粉砕されるので起こる事はあまり変わりません*4。 多くの方の声を聞いていると、月面に「かぐや」の残骸がゴロンと転がっているイメージを描いている方が多いのですが、そうではなく月の砂と一緒になって月面と宇宙空間に消えています*5。 衝突で月に異変が起こる(軌道が変わるとか)のでは、という声も聞かれますが、月はそれ以上の衝撃を隕石の衝突によって日常茶飯事(年に何度も)受けています。 これだけ説明しても、怒っている人が納得してくれるかどうかは良く分かりません。 他にも色々な批判がありましたが、多くは宇宙開発や「かぐや」がよく理解されていないがための間違った内容で*6、宇宙開発を正しく伝えることの難しさを思い知らされます。 おそらく、月周回衛星は月面に衝突するものなのだということを今回初めて知った方が多いのだと思います。 人類はこれまで多くの探査機を月に衝突させていて*7、さらに今年打ち上げられたアメリカの探査ミッションLCROSSでは、観測のために、より巨大な物体を故意に加速して激しく月面衝突させる予定になっています*8。 その衝突は10月ですが、そのニュースを聞いて「かぐや」で敏感になった人がどういう反応をするのか心配です。 「かぐや」の話は、また書くかも。 今回の投稿はマニアックだったので注釈つき。。。 *1 日本の最長老衛星は1989年打ち上げのプラズマ観測「あけぼの」で、観測は20年を越えている。アメリカでは、いまも現役で何か観測をしている古株は地球観測衛星ではランドサット5号(1984年打ち上げ)や、惑星探査ではヴォイジャー1号/2号(1977年!)など。 *2 「かぐや」は観測で要求される軌道の精度がかなりゆるく、高度が30km程度上下することが許容されているため、軌道制御の燃料は節約されている。一方で、「かぐや」は電気の力で姿勢制御ができるリアクションホイールをミッション途中で故障で失い、姿勢制御にも燃料を使用したためこれは若干ロスになった。 *3 アメリカのルナ・プロスペクターやヨーロッパのスマート-1もいずれも約1年半の観測後に月面突入している。中国の嫦娥1号は「かぐや」より後に月に来て「かぐや」よりも3ヶ月早く月面突入した。 *4 「かぐや」の場合、衝突速度は秒速2km。日本では曇っていたので見えていないが、海外の天文台で「かぐや」衝突の威力による月面の閃光が観測されている。ヨーロッパのスマート-1の衝突の時は条件が良く、多くの天文台で閃光を観測できた。 *5 「かぐや」が衝突した地点には直径10m程度のクレータができたと考えられている。奇しくも「かぐや」の観測能力でぎりぎり検出できそうな大きさである。といってももう観測はできないが。いま月を周回しているインドのチャンドラヤーン1号で発見できるかは微妙なところ。 *6 変わったものでは、「アポロの有人月面着陸は嘘だった」と考える人から(まずそれが間違いだが)、なぜ「かぐや」でその嘘を暴かないのかという意見も聞かれた。こういう人はアポロの残骸が見つかれば納得するんだろうか?残念ながら小さすぎて「かぐや」では見えない。アポロ着陸船の離陸時に広がった噴射跡のようなものがかろうじて発見されている。 7/22 追記: この記事書く直前に、NASAのLROで見えた、アポロ着陸船の画像が公開されてた。乗り遅れた・・・orz NASA - LRO Sees Apollo Landing Sites *7「かぐや」の子衛星である「おきな」(リレー衛星;電波中継用)も2月に「かぐや」より一足早く落下している。なお、もう1つの子衛星「おうな」(VRAD衛星;重力観測用)は軌道が高いため、今後も長期間月を周回し続けるので、これはスペースデブリということになる。日本では過去にも、1993年に探査機「ひてん」が月面突入を果たしている。 *8 LCROSSは月周回衛星LRO(ルナ・リコネサンス・オービタ)と同時打ち上げの探査ミッションで、それらを打ち上げた時のロケット上段部分を月面極域に高速で激突させて大きな衝撃を与え、掘り起こされた月の内部の物質(特に、水があるかどうか)を分析する。事前にスイングバイにより加速しておくため衝突速度も秒速9kmとかなり大きい。 2009年6月11日、「かぐや」が月面に落下し、1年半の観測を終えました。
遅くなりましたが、いま私が感じていることを3回くらいにわたって書きます。 私は「かぐや」にはほとんど関っていないので、傍観する立場でしたが、それでも打ち上げ前は不安要素が多すぎて他人事とは思えず心配でした。 一番心配だったのが観測運用で、異なる文化をもつ組織(現在はJAXAに統合)の共同プロジェクトだったため、立場や意見の衝突が避けられないと思いました。 分かりやすく言えば、自分たちは労働者であり興味でやっているわけではないという[技術官僚]の立場の人は長時間勤務してまで運用をさせられるのは嫌でしょうし、良質の研究データを得られるよう常に努力したいという[研究者]の立場の人は逆に大事なときは徹夜してでも、あるいは他人をこき使ってでも目的の運用をしたいでしょう。 実際、打ち上げ前に双方の立場の人からの愚痴を聞く機会があり、この溝はミッション終了まで埋まらないのではと思いました。 なので、月の観測が始まってから、運用の雰囲気は割と良いですよ?と伝え聞いたとき、驚くと同時に安心したものです。 このミッションには、人を一丸とさせるような魅力があったということでしょうか。 他にも私の常識が覆された点がありました。 例えばハイビジョンカメラの映像がこんなに印象的だとは思いませんでした。 多くのケースで、事前にどのような画像が取得されるか見当が付いていたにもかかわらず、実際に取得された画像にはインパクトがありました。 私は「かぐや」にハイビジョンカメラを載せることに批判的で、ウケを狙うデモのためのカメラを載せる余裕があるなら科学的な観測機器を増やして真面目に科学をやるべきで、宣伝やアウトリーチはきちんと科学的な成果をもとにやるべき、という考えでした。 今はハイビジョンカメラがあって本当によかったと思っています。 もちろん、「きちんと科学的な成果をもとにやるべき」アウトリーチも大事です。 それはこれから。 「かぐや」ミッションを少し離れたところから見ていましたが、学ぶことは多くありました。 日本の惑星探査は将来が見えない状態がずっと続いていますが、私の常識を覆した「かぐや」ミッションに、まずは感謝したいです。 ![]() ISTS(宇宙技術および科学の国際シンポジウム)という学会、参加してきました。
これは何かというと、日本で隔年開催(ただし今年は偶数年開催から奇数年開催に切り替えるため例外的に昨年に続き2年連続開催)されている宇宙開発関連の全分野を網羅する総合的な国際学会です。 しかし国際学会なのに参加するのはほとんど日本人で、たどたどしい英語で日本人同士で議論しそして噛み合わないという変わった学会です。 また、国際学会なのに国際的な権威はあまりなく、研究者としては同じ発表準備をするならもっと権威のある学会に出したほうが成果になるため、結果として参加者が少なく、発表のレベルも海外の国際学会のレベルではありません。 今回は近所で開催されるということもあり、初参加してみました。 そして、結果的には、参加してよかったです。 参加した意義が日程終盤になってやっと分かりました。 まずISTS50周年の記念講演各種を聞いて、私が知らなかったこの学会の辿ってきた道のりを知りました。 それは日本の宇宙開発の苦難の歴史でもありました。 50年前、海外への渡航の難しさから日本の若手の宇宙技術者・研究者が国際学会に出るチャンスが無いため、日本で宇宙の国際学会が開かれるようにしたのが始まりでした。 若手が自由に国際舞台を行き来できる現代ではその役割は当然見直されるべきですが、少なくとも何で日本でわざわざ宇宙の国際学会をやろうとしたのか、その疑問は解消されました。 そして、もう1つ大きな収穫だったのは、いろいろな人たちとの出会い(と再会)でした。 大学時代の同じ研究分野の仲間や、仕事を始めてから新たに関わった色々な業界の方々など、違う分野の人々が一同に会しているのが、とても不思議でした。 よく(夜見る)夢の中で、同じ場所に共存していたはずの無い、ずっとご無沙汰な昔の友人と、最近の新しい友人などがごちゃごちゃになって一緒に出てくることがありますが、ISTSは、私にとってその状況でした。 異分野同士での会話を通じて学んだことは非常に多く、人脈の尊さを思い知りました。 ということで結論は、なんだかんだ言っても、ISTSは議論や情報交換の場として有益でした。 あと、英語のできる日本人はやっぱりカッコよかった。 ![]() 少々ブログを放置していました。
多忙でした。 この一ヶ月ほど、私のこれまでの教育の仕事について発表・議論する機会が何度かあり、教育・アウトリーチの意識の高い多くの研究者や教育関係者の方々にもお会いし、自分でも気づいていなかった自分の仕事の重要性に気づきました。 近年、日本の学校教育では、新しい学習指導要領(現在は移行期間中)で理科教育の大幅な拡充が求められ、地球をメインテーマとして宇宙、太陽系、自然環境、生命などについて「実感を伴った」教え方で指導するように定められました。 これらに必要な教材を揃えるための莫大な予算もついています(桁が宇宙開発並み)。 知識を与える一辺倒の理科教育からの大きな転換で、この方向性自体は間違っていないと思います。 しかし、理科の先生でも理系出身の人が少ない昨今、例えば小学校で月・惑星について教えるとき(満ち欠けとか)、宇宙や惑星について知ることの意義、地球とのかかわり、それが私たち生命とどうつながっているのか、宇宙の視座でこれらを全て結び付けてちゃんと教えられる人材は少ないと思います。 また、地球の地形のなりたちについて教えるときも、山や堆積地形がどう形成されたか実感をもって学習してもらうのは、その時空的スケールから考えると大変難しいです。 そこで、天文衛星、惑星探査機、地球観測衛星が撮影した画像などを使って大きなスケールで実感をもって学べる、宇宙教育の出番が来ます。 ところが、宇宙開発に携わる側にも問題があり、たとえば人工衛星や探査機についてそれに関わった人に(子供たちへの)授業や(教員への)研修を頼むと、衛星の仕組みや成果に関する「説明会」で終わってしまうケースが見受けられます。 天文や惑星について知ることは私たちの地球や生命への理解や気づきにつながり、またそれを知ろうとする原動力である知の探求やものづくり精神を育てること自体も重要で、それらが子供たちに伝えるべき本質のはずです。 そこで私は、JAXAで行われている、大まかに3つに分けられる観測、すなわち天文衛星、惑星探査機、地球観測衛星による観測からわかる、宇宙のこと、地球のこと、そして私たちの生活・生命のことを統合的に教える授業を目指し、実践をしています。 最近は、子供たちへの直接の授業だけでなく、教育関係者の方々にもこの考え方を広めたいと思っています。 それでこんな絵を描き、本日の宇宙教育シンポジウムでの講演の導入に使いました。 ![]() 天文衛星と惑星探査機は、同じJAXA宇宙科学研究本部(ISAS)の中の活動ですが、後者の方が歴史が浅く、ISASの中でも住み分けがあります。地球観測衛星は、旧NASDA系の部署であるJAXA地球観測研究センター(EORC)の活動で、全く異なる組織の仕事です。 そういった組織の違いを越えて(ここでは組織なんてどうでもよい)、宇宙で得られた最新データを教育で横断的に使うことが私の第一歩で、次にその考え方を宇宙関係者、教育関係者に広めるのが第二歩。 今、やっとその第二歩に向けて踏み出そうとしているところです。 久々に長く書きました。 この1ヶ月取り組んでいたことについて書きました。 これが本職ではないのですが・・・。 前回に引き続き、隠れたる桜の名所、筑波宇宙センターの桜の写真を載せます。
今回は建物の写っていない広大な場所で撮ったものをセレクト。 およそ300メートル続く「桜のトンネル」は圧巻です。 宇宙センターはこういった広大な空き地が多くあります。 磁気シールド施設や電波試験施設など、周辺に建物があると電磁気的な影響を受けてしまう施設が多いためです。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 筑波宇宙センターの桜は今週が見ごろです。
ここは筑波でも有数の、桜の多い場所ですが、なにぶん見る人が少ないのが残念です。 日中は見学者は受付をすればいつでも敷地に入ることができますが、宇宙関連の施設や展示ルームへは案内してもらえても桜の名所までは案内してもらえません。 ということで、写真を撮りました。 写真はまだあるので、次回に続きます。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
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